live配信も見逃すなかれ
今回のブログは前回からの継続の「LIVE BOXING10」をご紹介いたします。モンスター井上尚弥選手の影響なのか、または帝拳ジムのプロモートの上手さなのか、世界タイトル戦が7つと地域タイトルが1つ、合計8つのタイトル戦が組まれています。しかも今回配信されるタイトル戦は二日間開催されるという超豪華なラインナップといえます。
R60世代にとってバンタム級といえば、薬師寺保栄VS辰吉丈一郎戦が思い起こされると思われます。1994年に行われた試合は、営業の帰りにテレビ中継の画面を釘付けになって観ていたものです。
現在のバンタム級の選手群は史上最も層の厚い「ゴールデンエイジ」といっても過言ではなさそうです。世界タイトルの4団体を日本人のチャンピオンが独占しており、世界上位ランカーも多数存在しています。指名試合ですら日本人が選ばれている状況下においては、単にプロモート力だけが影響している訳ではなさそうです。
LIVE BOXING 10 DAY1
■10月13日(日)
試合順 | 対戦カード | タイトル |
---|---|---|
4 | 王者 井上拓真(大橋) vs 挑戦 堤聖也(角海老宝石) | WBA世界バンタム級タイトルマッチ |
3 | 1位 寺地拳四朗(BMB) vs 2位 クリストファー・ロサレス(ニカラグア) | WBC世界フライ級王座決定戦 |
2 | 王者 ユーリ阿久井政悟(倉敷守安) vs 挑戦者 タナンチャイ・チャルンパック(タイ) | WBA世界フライ級タイトルマッチ |
1 | 1位 岩田翔吉(帝拳) vs 2位 ハイロ・ノリエガ(スペイン) | WBO世界ライトフライ級王座決定戦 |
筆者はLIVE配信では観戦していません。便利な機能が備わっており、ストリームを使って観戦しています。配信時間帯に仕事などの都合がある場合やトイレなど用足しで見逃すことがなくなります。R60あるあるなのですが、内容が頭に入らない時に巻き戻しができます。これが結構なお勧め機能となっております。必須条件としてはネタバレを防ぐことになるのですが。
対戦結果ネタバレ注意
1. 岩田翔吉 vs ハイロ・ノリエガ
WBO世界ライトフライ級王座決定戦
- 勝敗のポイント: 試合は3ラウンドに一変します。岩田選手は持ち前のパワーで、相手の足を止める左ボディーブローを炸裂させました。この一撃でノリエガ選手は大きく動きが鈍り、そこへ岩田選手の右アッパーがクリーンヒット。見事にダウンを奪いました。立ち上がったノリエガ選手に岩田選手が追撃の連打を浴びせると、レフェリーが危険と判断して試合をストップ。岩田選手が3ラウンドTKOという鮮やかな勝利で、悲願の世界王座を獲得しました。2度目のチャンスで確実に結果を残した、岩田選手の強い気持ちが勝利に繋がった試合でした。
- 試合展開: 2度目の世界挑戦となる岩田翔吉選手にとって、背水の陣で臨んだ一戦でした。初回からノリエガ選手は手数で攻め、岩田選手も左フックを浴びるなど苦戦する場面が見られました。2ラウンドに入っても、手数の多い相手に流れを掴みきれない様子でした。
3. 寺地拳四朗 vs クリストファー・ロサレス
WBC世界フライ級王座決定戦
- 試合展開: 寺地選手はライトフライ級の王座を返上し、階級を上げての2階級制覇を狙う重要な一戦でした。対するロサレス選手も元王者であり、経験豊富な強豪です。試合は序盤から寺地選手が冷静に距離をコントロールし、的確なジャブと右ストレートで試合を組み立てました。ロサレス選手も時折、強烈な左右のフックやアッパーを繰り出して反撃する場面も見られましたが、寺地選手は巧みにそれらをさばき、主導権を渡しませんでした。
- 勝敗のポイント: 寺地選手は試合全体を通して、ロサレス選手の動きを読み切り、的確なパンチをヒットさせていきました。特に、後半にかけてはロサレス選手の鼻から出血が見られるなど、寺地選手の優勢が明らかになっていきました。11ラウンドに入ると、寺地選手はさらに攻勢を強め、ロサレス選手をロープ際に追い詰めて連打を浴びせ、レフェリーがストップ。見事なTKO勝利で、2階級制覇を達成しました。寺地選手の卓越した技術と、階級を上げても通用するパワーが証明された試合でした。
2. ユーリ阿久井政悟 vs タナンチャイ・チャルンパック
WBA世界フライ級タイトルマッチ
- 試合展開: 王者のユーリ阿久井政悟選手が、タナンチャイ選手の挑戦を受ける形で行われました。阿久井選手は序盤から常にプレッシャーをかけ続け、タナンチャイ選手の可動範囲を狭めていきました。タナンチャイ選手はディフェンシブな戦術を取り、時折速いコンビネーションで反撃を試みますが、阿久井選手の堅固なブロッキング技術がクリーンヒットを許しませんでした。
- 勝敗のポイント: 試合は、終始前に出続ける阿久井選手と、足を使って距離を取るタナンチャイ選手という構図で進みました。阿久井選手は持ち前の右ストレートを狙いながら、コツコツと有効打を重ねていきます。対するタナンチャイ選手は、ヒットをアピールする場面もありましたが、全体的な攻勢は阿久井選手が上回っていました。結果は、ジャッジ3者とも僅差ながら、阿久井選手を支持する採点が出て、2-1の判定で阿久井選手が2度目の防衛に成功しました。タナンチャイ選手につけたジャッジもいるように、勝敗が分かれる内容ではあったものの、阿久井選手の王者としての風格と、タフな試合を制する強さが見られた一戦でした。
4. 井上拓真 vs 堤聖也
WBA世界バンタム級タイトルマッチ
- 試合展開: この試合は、アマチュア時代からのライバルである両者の12年ぶりの再戦として、大きな注目を集めました。序盤は王者の井上拓真選手が巧みなボディーワークとスピードで優位に立ち、堤選手の攻撃をかわしながらカウンターを狙う展開でした。しかし、挑戦者の堤選手は臆することなく、常に前へ出るプレッシャーと豊富な手数で井上選手を追い詰めました。
- 勝敗のポイント: 試合の中盤から後半にかけて、堤選手の relentless な攻めが井上選手を消耗させ始めます。特に10ラウンドには、堤選手の猛攻からロープダウンを奪い、試合の流れを決定づけました。井上選手はダウンに納得がいかない様子で抗議しましたが、判定は覆りませんでした。最終的に、堤選手が手数と気持ちで上回り、3-0の判定で井上選手に勝利。見事、12年越しのリベンジを果たし、新チャンピオンに輝きました。井上選手は「気持ちで相手が上回った」と語り、堤選手の執念を称えました。
注目の試合ユーリ阿久井政悟 vs タナンチャイ・チャルンパック
筆者の注目の選手は今回の中ではユーリ阿久井政悟選手です。「LIVE BOXING」で以前に観戦しています。どちらかと言うと寡黙なイメージが先行してしまい、悪く言うと華がない印象を受けがちです。スタイルもジャブ中心なことが多く感じます。そこで筆者主観な魅力をお伝えいたしますので、観戦の際のご参考にしてはいかがでしょうか。因みにユーリ阿久井政悟選手も「ゴールデンエイジ」の一員です。選手目線でいうと、複数の日本人世界上位ランカーいるということ自体がチャンピオンの取り合いを意味することになり、メンタル的には安らぐ時があまりないのではないかと想像します。
ユーリ阿久井政悟選手は、その堅実なボクシングスタイルと、強烈な一発を秘めたパンチ力を両立させている点が大きな魅力です。派手さだけではない、勝つためのボクシングを追求する姿勢は、多くのファンを惹きつけています。
彼の主な魅力をいくつかご紹介します。
1. 堅固なディフェンスと圧倒的なプレッシャー
ユーリ阿久井選手は、相手の攻撃をしっかりブロッキングで受け止め、自らはガードを固めてじりじりと前進するスタイルが特徴です。これは、フィジカルの強さがなければ成り立たない戦術で、相手に絶え間ない精神的プレッシャーをかけ続けます。
- 鉄壁のガード: 相手がどれだけ連打を放っても、その攻撃をブロックで防ぎ、致命的なダメージを許しません。
- 圧力のかけ方: 相手が下がっても、サイドに動いても、常に「そこにいる」不気味な存在感で相手を追い詰めます。このプレッシャーのかけ方は、試合を有利に進める上で非常に重要な武器です。
2. 破壊力抜群の右ストレートとKO力
阿久井選手は、堅実な試合運びの一方で、試合を一瞬で終わらせる強烈なパンチを秘めています。特に、KO率が高い右ストレートは彼の代名詞です。
- 戦慄の右ストレート: 過去には初回KOを連発するなど、一撃で試合を決めるパンチ力を持っています。その威力は対戦相手を驚かせるほどです。
- 一発を当てる技術: 自分が連打を出している間でも、相手のわずかな隙を見逃さずに正確なパンチを打ち込むことができます。その一発の重みが、相手の心を折ることもあります。
3. 地道な努力と地元・岡山への愛
華やかな舞台とは距離を置いた岡山を拠点に、地道な努力を続ける姿勢も彼の魅力の一つです。
- 謙虚で真摯な姿勢: 自分の試合内容に満足せず、「全然ダメダメな内容」と反省を口にするなど、常に上を目指す真摯な姿勢があります。
- 地元への誇り: 岡山を離れず、仕事と練習を両立させながらトレーニングを続けるスタイルは、地元の人々にとっての誇りです。彼の活躍は「毎日地道にやっていけば夢がかなう」というメッセージとして、多くの人に勇気を与えています。
4. 状況判断能力の高さ
試合中に「距離が違うな」と感じたら、あえてバックステップを踏んだり、ステップを変えたりして対応するなど、冷静に状況を判断する能力も持ち合わせています。日常の観察からヒントを得てボクシングに生かすという考え方も、彼の賢さを物語っています。
これらの要素が組み合わさり、ユーリ阿久井政悟選手は、ただ強いだけでなく、見る者を惹きつける魅力的なボクサーとして、その地位を確立しています。
ユーリ阿久井政悟選手の戦績
筆者にとって試合前の楽しみ方の一つは、選手の戦績を観て、その選手に対してのイメージを膨らませることです。今回のユーリ阿久井政悟選手の戦績で注目すべきは、2017年8月23日に前回のブログでご紹介した、中谷潤人選手と対戦していることです。中谷潤人選手は「ゴールデンエイジ」世代の2年後輩になります。バンタム級の前後の階級では、避けて通れない選手の一人なのだと思います。
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
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1 | 2014年4月20日 | ☆ | 4R | 判定3-0 | 末吉悠生(千里馬神戸) | 日本 | プロデビュー戦 2014年度西日本ライトフライ級新人王予選 |
2 | 2014年9月14日 | ☆ | 4R | 判定3-0 | 武藤通隆(勝輝) | 日本 | 2014年度西日本ライトフライ級新人王決勝戦 |
3 | 2014年11月9日 | △ | 4R | 判定1-1 | 荻堂盛太(平仲BS) | 日本 | 2014年度ライトフライ級新人王戦西軍代表決定戦 |
4 | 2015年7月19日 | ☆ | 1R 1:40 | TKO | 菖蒲瑠香(渥美) | 日本 | 2015年度西日本ライトフライ級新人王予選 |
5 | 2015年9月27日 | ☆ | 1R 2:42 | KO | 香美の子岡村ケントキッド(六島) | 日本 | 2015年度西日本ライトフライ級新人王決勝戦 |
6 | 2015年11月15日 | ☆ | 4R | 判定3-0 | 大城信博(琉球) | 日本 | 2015年度ライトフライ級新人王戦西軍代表決定戦 |
7 | 2015年12月20日 | ☆ | 5R | 判定3-0 | 細谷大希 (角海老宝石) | 日本 | 2015年度全日本ライトフライ級新人王決勝戦 |
8 | 2016年4月3日 | ☆ | 1R 0:45 | KO | 山地秀明(広拳) | 日本 | |
9 | 2016年10月2日 | ☆ | 3R 1:30 | TKO | 内野々大叶(ウエスタン延岡) | 日本 | |
10 | 2016年12月3日 | ☆ | 1R 2:03 | TKO | 大野兼資(帝拳) | 日本 | |
11 | 2017年4月16日 | ☆ | 1R 0:31 | KO | スターボール・トーシリトゥーム | タイ | |
12 | 2017年5月16日 | ☆ | 1R 1:33 | TKO | 大保龍斗 (横浜さくら) | 日本 | 初代日本フライ級ユース王座決定トーナメント準決勝 |
13 | 2017年8月23日 | ★ | 6R 2:01 | TKO | 中谷潤人(M.T) | 日本 | 初代日本フライ級ユース王座決定トーナメント決勝戦 |
14 | 2018年4月8日 | ☆ | 1R 1:32 | TKO | 矢吹正道(緑) | 日本 | |
15 | 2018年10月28日 | ★ | 8R 2:17 | TKO | ジェイセバー・アブシード | フィリピン | |
16 | 2019年4月28日 | ☆ | 1R 2:45 | TKO | 湊義生(JM加古川) | 日本 | |
17 | 2019年10月27日 | ☆ | 1R 2:16 | TKO | 小坂駿(真正) | 日本 | 日本フライ級王座決定戦 |
18 | 2020年10月18日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | 藤北誠也(三迫) | 日本 | 日本王座防衛1 |
19 | 2021年7月21日 | ☆ | 10R 2:49 | KO | 桑原拓(大橋) | 日本 | 日本王座防衛2 |
20 | 2022年2月27日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | 粉川拓也(角海老宝石) | 日本 | 日本王座防衛3 |
21 | 2023年2月4日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | ジェイソン・バイソン(英語版) | フィリピン | |
22 | 2024年1月23日 | ☆ | 12R | 判定3-0 | アルテム・ダラキアン | ![]() | WBA世界フライ級タイトルマッチ |
23 | 2024年5月6日 | ☆ | 12R | 判定3-0 | 桑原拓(大橋) | 日本 | WBA防衛1 |
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用
primevideo LIVE BOXING 密着選手紹介
選手の戦績の他にprime videoでは独占密着取材という形式で、選手が試合に臨む前までの練習風景やインタビュー、その他の時事ネタを交えて紹介しています。
選手が育った人生や家族の誕生の瞬間、時には趣味などが紹介されています。試合の前の選手の心の中の状態が表現されていて、観戦する側としては感情移入することができます。この点は過去のTV放映と比較するとかなり多くの時間を使用しており、且つ番組自体が単独で配信されていますので、事後に気になった選手をフィーチャーする事も可能となっています。
入場曲にも注目 岩田翔吉選手編
前回那須川天心選手の入場曲のyou tube動画埋め込みを試みたところ、対象動画がBAN扱いされていました。やはり著作権がらみなのでしょうね。今回も懲りずにご紹介いたします。
筆者主観の注目入場曲はズバリ岩田翔吉選手です。筆者は20年ほど前に知人のReggae soundからMIX CDを委託販売していた経験があります。自身も80’sReggae selectorとして活動していた経験を持ち、本ブログの中でも数回作成したYouTube動画を埋め込んでいます。
そんな縁で岩田翔吉選手が多用する、Reggae musicの入場曲に親しみを持っています。皆さんも岩田翔吉選手はReggaeが好きかもしれないと想像すると、より親近感を覚えるのではないでしょうか。
いつもの3人の評価
「LIVE BOXING」のブログ投稿の際にはいつもお世話になっている、「渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 ぶっちゃけチャンネル」中で、今回の「IVE BOXING10」Lの勝敗予想と見どころを解説している動画を埋め込みました。ご参照ください。
筆者の注目のユーリ阿久井政悟選手については、軽くスルーされています。解説的には圧勝との事ですが、もう少しだけフィーチャーしてくれればと感じました。
同様にメインイベントである井上拓真 vs 堤聖也戦についての生解説の動画も埋め込んでおきます。特に渡嘉敷勝男さんと畑山隆則さんは居酒屋トークのオンパレードで、プロ野球のサブ解説的な聞き方をすると楽しくなります。ご覧いただければ判明するのですが、渡嘉敷勝男さんは弁当をがっつきながら、畑山隆則さんは焼酎を何杯も飲みながら解説している様は、主観的にイケていると思います。
一度正規の配信を観た後にこの動画をバラエティー感覚で見直すと、一粒で二度美味しい感覚になるのではないでしょうか。
